こんにちわ。
南極ガイド7年目になるSHIHOです。
今日は、誰もが気になる南極のベストな観光時期は?についての投稿です。
*ちなみに、ここで私が指す南極とは、観光が一番メジャーの南極半島になります。ペンギンに関しての記述も南極半島で見られるペンギンになります。*
まず、南極のシーズンは南半休が夏にあたる11月初旬から3月後半になります。最近では10月後半の南極クルーズも出てきましたが、一般的なのはやはり11月初旬からになります。
なぜ、この時期だけしか行けないのかというと、寒いのはもちろんですが、その間は海が凍結してしまい、船が出航できる状態ではなくなってしまうのです。
そのため、過去に南極からお友達に送ったポストカードが次の年に届いたということもありました。船が出せなくなって、翌年に持ち越しになったんですね。
私は2012年シーズンから毎年乗船しており、24回南極に行かせて頂いています。
ですので、もちろん、11月〜3月シーズン全ての南極を見てきました。
南極は地球上で、最も天候が変わりやすい、自然の恵みを良い意味でも悪い意味でも受けてしまう場所です。
そのため、例えば、次の週に違うお客様を連れて、同じサイト(観光スポット) に行くとします。
前回と比べ、氷が張って、行けなくなってしまっている時もあれば、雪まみれで本当に同じ場所なの?と目を疑いたくなる時もあります。
逆に、雪がすっかりなくなって、全くの違う光景になっていることもあったりします。
数日でもそんなに変わってしまう南極ですので、一月一月でだいぶ違ってきます。
それでは、11月の南極から見て行きましょう!
- 11月 ー写真を撮るにはベストな時期
- 12月ーペンギンアザラシ繁殖シーズン
- 1月ーペンギンの子育て
- 2月ーペンギンのヒナがだいぶ大きく
- 3月ークジラ、アザラシなど海洋生物の観察にはベスト!
- まとめ
11月 — 写真を撮るにはベストな時期
11月はシーズンが始まって最初の月です。
まだまだ寒い時期にあたります。私も7年間で1度だけ11月の南極を旅しましたが、他の時期に比べてやはり寒かった記憶があります。この時期は気温自体も低いのですが、また雪や氷が随分残っている状態です。
ですので、写真をとるには一番綺麗なのがこの時期です。
まだ観光客がほとんど入ってきていないシーズン序盤のために、元々たくさんある雪も、人が踏み荒らした形跡がなく、綺麗に残っていることが多いです。
至る所に見られる氷冠や、雪景色に圧倒されます。個人的には11月前半が南極で最も美しい時期だと思っています。
ペンギンが南極に戻ってくるのもこの頃です。ただし、ヒナはまだ見れませんので、ヒナの写真が撮りたい人には、オススメの時期ではありません。
亜南極にあたるサウスジョージア島では、ゾウアザラシの繁殖シーズンでもあるのがこの時期です。
12月ーペンギンアザラシ繁殖シーズン
11月後半から12月後半は、ペンギンやアザラシ達の繁殖シーズンのため、ペンギン達の戯れる姿や求愛シーン、ペンギン達の群れや卵を抱いている姿を見られるのが、この時期です。
12月の後半には、ぼつぼつ、ペンギン達や他の海鳥達のヒナがかえります。また、12月後半は、クジラ(ザトウクジラ、ミンククジラ、シャチなどなど)がやってくる時期でもあります。ウェッデルアザラシも海岸べりで脱皮する時期です。
ちなみにクリスマスから年末のクルーズは毎年お客様が多くて、早い段階でクルーズもフルになることが多いので、日程が決まり次第、早めのご予約をオススメします。
私もこの時期に、南極に呼び出されることが一番多いです。
1月ーペンギンの子育て
ペンギン達の子育ての時期です。海岸には大きなペンギンのコロニーが出来ています。 親ペンギンがヒナに餌をやる写真などを撮りたい方には、この時期がオススメですね。運が良ければ、ペンギンが卵から孵化するシーンなんかも見れるかもしれません。カニクイアザラシやヒョウアザラシが現れ、 クジラの姿も多く見られ、海洋生物が活発に現れる時期です。動物好きな方には1月がオススメです。
2月ーペンギンのヒナがだいぶ大きく
ペンギンのヒナがだいぶ大きくなってきています。11月に現れだしたペンギンが、繁殖してヒナも大きくなって、海に帰る前、、、ということはペンギンの糞が多く、岩場などはヌルヌルしていることが多いです。私はこの時期、岩場を登って、雪も一度溶けてまた固まってツルツルで滑りそうになるわ、ペンギンの糞はヌルヌルだわで、随分歩くのが大変だった記憶があります。この時期は足場に気をつけてください。
3月ークジラ、アザラシの観察にはベスト!
ペンギンの子供達が海へと向かう姿、アザラシが子供へと餌をやる姿が観察できます。
クジラやアザラシの観察が出来る一番良いシーズンです。
雄のサウスジョージアアザラシの子供達が海岸べりで遊ぶ姿も見れます。
しかし、この時期は雪がほぼ溶けており、今までいらっしゃったお客様も「南極って、 石なんか見える部分がないと思ってたのに」と言っていらっしゃいました。ペンギンの写真も、真っ白な絨毯の上での撮影というわけにはいかなくなると思います。去年いらっしゃったお客様はペンギンが雪にくるのをわざわざ待って、撮影するように頑張っていらっしゃいました。南極のベストな景色を撮りたい!と言う方にはこの時期はオススメできないですね。
ただ、3月はお客様も少ない時期、ペンギンも雪もだんだんと少なくなる時期なため、ツアーの料金も他の時期に比べ、比較的安くなっています。
まとめ
- 風景の写真を撮るにはシーズン序盤の11月前半がベスト!
- ペンギンの求愛シーンは12月
- クリスマス、年末シーズンは混むので早めに予約
- ヒナが見たいなら12月後半から1月前半
- 2月はヒナが大きくなる
- クジラやアザラシを堪能できるのは3月
- 3月は比較的ツアー料金が安い
いかがだったでしょうか?
自分の目的がどこにあるのかをしっかり見極めて、楽しい南極の旅ができますように。